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CatalTo 2016 開催〔1〕

日時:2017年6月2日(金)14:00-17:00
場所:駒場博物館セミナー室
出席者:CatalTo(展覧会図録品評勝手連TOKYO)メンバー計18名
メンバー=教員2名(学内)、大学院生およびOBOG 16名(学内外)

活動報告:2017年6月2日(金)、記念すべき第一回CatalToとなるCatalTo 2016が開催されました。今回は、東京およびその近郊の美術館・博物館等で2016年度に開催中もしくは会期がスタートした企画展、巡回中もしくは巡回が始まった企画展の展覧会カタログ、計110点以上を選考対象としました。

 CatalTo 2016の選考結果および受賞カタログ・ポスターに対する選評は以下の通りです。

・CatalTo総合賞(学術性やデザイン性、独創性、娯楽性など総合的に見て良質です)
『色の博物誌 江戸の色彩を視る・読む』(目黒区美術館、2016年10月22日--12月18日)
(選評)
「多方面から解き明かされる江戸の色彩美」
 色の原材料そのものに着眼するというきわめて独創的かつ意欲的な試み。カタログの紙面を彩る美しい色材の数々は華やかで、読者の眼を豊かに愉しませます。それのみならず、考古学・民俗学・歴史学・美術研究を横断する多ジャンルの文化史的研究が展開されています。江戸時代の国絵図と浮世絵を支えた、色をめぐる卓越した江戸の技術の粋をも一挙に知ることのできる贅沢な一冊。


・CatalTo学術賞(論文や解説、書誌等が充実し、特に高い学術的価値を賞します)
『シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才』(国立西洋美術館、2017年2月28日--5月28日)
(選評)
「知られざる巨匠の魅力に正攻法で迫りゆく」
 日本ではこれまで、ほとんど知られていなかった画家の魅力を、高い学術性に基づき紹介した展覧会のカタログ。内容の核となる論文、作品解説は言うまでも無く、関連年表・地図、参考文献といった資料の部分にも執筆者陣の熱意が込められており、繰り返し手に取る度に新しい知見や研究上のヒントを得ることの出来る一冊です。

『花森安治の仕事 デザインする手、編集者の眼』(世田谷美術館、2017年2月11日--4月9日。2017年4月から10月まで他三館に全国巡回)
(選評)
「圧倒的なまでの資料価値!」
 雑誌編集のプロセスという珍しい題材で企画された展覧会が盛況に終わったのは、テレビドラマの効果だけではないだろう。徹底して資料を集め、花森の仕事の全貌を提示しようという企画者の熱意の賜だ。また同時に、「作家」「作品」ではなくその伝達媒体・プロセスに焦点を当てるという側面も持っており、その意味でも日本の展覧会企画に新たな可能性を提示したと言える。充実したカタログは、今後の雑誌研究において貴重な資料となるに違いない。


・CatalTo印刷賞(出品作品の図版や画像の再現性や色彩の美しさを賞します)
『並河靖之七宝 明治七宝の誘惑 透明な黒の感性』(東京都庭園美術館、2017年1月14日--4月9日。2017年9月から12月まで他二館に全国巡回)
(選評)
「「透明な黒」と静謐な七宝の美を堪能する一冊」
 単なる超絶技巧でない、「透明な黒」から浮かび上がる文様の、息を飲む美しさと静謐さを再現。形態にも帯にも凝って、並河七宝への敬愛が表現されている図版印刷の質の高さを味わいたい一冊。もちろん学術的にも大変深い内容が展開されています。


・CatalTo薄くても良いで賞(小規模ながら、解説・情報等の量や質の水準が高いです)
『近代日本のイタリア発見 岩倉使節団の記録から』(久米美術館、2016年7月1日--7月24日。2016年10月1日--10月30日に京都外国語大学国際文化史料館に巡回)
(選評)
「発見し発見される越境者たちの濃密な旅」
 明治維新期に欧米諸国を歴訪した岩倉使節団。そのイタリア滞在を、『米欧回覧実記』の執筆者・久米邦武の関連資料に加え、当時の新聞や公文書などイタリア側の新資料も参照しながら詳細に辿ります。パネル展示をまとめたわずか38ページのカタログですが、とにかく内容が豊富。近代日本が見たイタリア、そして近代イタリアが見た日本。その驚きと発見に迫るとともに、いまひとたび日伊関係に目を向けるきっかけとなる一冊です。

(〔2〕に続く)

(2017年7月22日 文責:松枝佳奈)


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