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[おすすめ]ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界

会場:三菱一号館美術館
会期:2018年6月28日--9月17日
評者:松枝佳奈
寸評:およそ240年前、1780年に創業したフランス・パリのジュエリーメゾン、ショーメの伝統と歴史、魅力を、約300点の宝飾品と未発表のデザイン画、写真等で紹介する日本初の展覧会。
日本では、ナポレオンの皇妃の名を冠した「ジョゼフィーヌ」をはじめ、華やかな婚約指輪や結婚指輪、ネックレスなどを製作していることで知られています。そのような経緯もあり、来館者の大半は20代から60代の女性でした。
展覧会の構成は、そのような来館者の層を十分に意識したものとなっています。美術館入口では、展示品のティアラやブローチなどの写真が印刷された限定ポストカードが配布されていました。おそらくミュージアムショップで販売されているものとは異なっており、来館者の好奇心をくすぐります。
また多数の美しいティアラが展示されている第3章の会場では、来館者が自由に展示品や会場の写真を撮影することができました。SNSに掲載したり、家族や友人、知人に見せたりするなど、展覧会後に撮った写真を眺め、振り返る楽しみも増えることでしょう。
展覧会には、カタログでは知り得ず、美術館や博物館に実際に足を運ばなければ分からない美しさや面白さが多々あります。その一つは展覧会の内装でしょう。展示室は、皇族や貴族の邸宅を想起させる壁紙のほかは、黒を基調とし、展示品に小さなスポットライトを当てています。それによって細部まで趣向が凝らされた宝飾品の持つ輝きのみならず、それが生み出す繊細な陰影をも楽しむことができます。
さらに驚くべきことに、本展の宝飾品を展示するためのガラスケースの多くが、この企画展のために製作されたものだそうです。遠近法を応用した奥行きのあるケースや、波型、ジグザグ、円形の背景、そしてアール・デコを意識した四角形の枠を用いたケースなどは、会場でしか見ることができません。特に見どころと思われるのは、第2章のガラスケースです。同章の展示品《麦の穂のティアラ》にインスピレーションを受けた、穂の垂れた麦の繊細なカットが施されています。それが黒の背景に映え、また展示品も引き立てています。
歴史的なショーメの作品と近年(2000--2018年)のショーメの作品が同じように並んでいるのは、とても興味深く思われます。ただし「自然の美を宝飾品に取り入れる」という点においては、19世紀や20世紀初頭の作品のデザインが圧巻であると感じられたのは、筆者だけでしょうか。
本展は、比較文学比較文化研究室の修了生で、同館学芸員の岩瀬慧さんがキュレーションを担当され、多方面で開催に尽力されました。夏の昼下がりに、本展の舞台裏など貴重なお話をお聞かせくださった岩瀬さんに改めて御礼申し上げます。

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