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CatalTo2017 授賞式・パーティー開催〔2〕

日時:2018年7月27日(金)16:00-19:00
場所:東京大学教養学部駒場キャンパス 18号館4階コラボレーションルーム1およびオープンスペース
出席者:学内外関係者45名
活動報告:(〔1〕のつづき)

◎CatalTo文学展賞(文京区立森鷗外記念館)
『特別展 明治文壇観測――鷗外と慶応3年生まれの文人たち』
・プレゼンターから
 これまでの鷗外研究とは異なった、人的交流という観点からの森鷗外に関する展覧会であった点に特色があったといえよう。『めさまし草』において批評された作品の初出がどの雑誌であったかをまとめた表や、初めて翻刻された資料などがとても充実している。本カタログは、既存の鷗外研究書には載っていなかった情報も多く収録され、カタログという枠を超え、研究書と呼ぶべき価値があると思う。

・受賞者から(文京区立森鷗外記念館・塚田瑞穂)
 この展覧会は、鷗外記念館の5周年を記念するものであった。鷗外記念館は、「森鷗外」という個人名を冠した文学館であるため、展示内容について「どうせ鷗外のものだ」という印象や、「一度行けばそれでいい」という思いを来館者に抱かれてしまう懼れがある。そのような思いを拭い去るため、特別展とコレクション展を年2回行い、いつ来ても「楽しい」、「変っている」文学館を目指している。
 また、昨年は正岡子規・夏目漱石の生誕150周年であったため、それにちなみ、「慶応3年生まれ」の人物に着目し、『めさまし草』を一つの柱に据えた。この展覧会では、過去のある一点に焦点を当てるというよりは、さらに昔から現代まで繋がる時間を表現したいという思いがあった。そのため、デザイナーの方との相談のなかで、カタログのデザインには「渦」を採用し、カタログにおさめられた年表も何段階かの帯状にすることによって時間の流れを表現した。(当初は蛇腹の年表を作る予定であった)袖にかかるほど多くの情報を詰め込んだカタログである。

◎CatalTo手のぬくもり・こだわり賞(板橋区立美術館)
『世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦』
・プレゼンターから
 タラブックス出版社は、手工芸品のように美しい本を作ることで有名なインドの出版社あるが、それ以外にも、少数民族のアーティストによるワークショップを行い、彼らに著作権の概念を教え、正当な報酬を得られるようにするなどの社会的な貢献も行っている。
 このカタログはスリーブに入っているが、スリーブから取り出すとカラフルな世界が顔を出す。カタログの中身は、写真、タラブックスの作品リスト、創業者のインタビューなど盛りだくさんである。

・受賞者から(板橋区立美術館・松岡希代子)
 タラブックスの展覧会を行った時期は、本来、板橋区立美術館は改修のため、閉館しているはずであった。しかし、改修の時期が延び、急遽開催することになった展覧会であった。なぜ、そんなに急にタラブックスの展覧会を開催することができたかといえば、その秘密は板橋区立美術館が開館3年目から続けてきた絵本の原画展(今年で38回目を迎える)にある。絵本の原画展は、展覧会のメインストリームではないが、板橋区立美術館も「末端」の美術館であり、その「末端」であるがゆえの「すみっこ力」を活かした展覧会であるといえ、そのなかで世界中のイラストレーターや出版社と密な関係を丁寧に築きあげてきたからであった。2013年には、タラブックスの中心人物であるギータ・ウォルフさんを招聘し、イラストレーター向けのワークショップを開いたこともあった。
 そのため、タラブックスの展覧会を行いたいという企画を持ちかけたときも、話はスムーズに運んだ。タラブックスの出版物の3割程度は、木綿の古着を再利用した紙に、シルクスクリーンで刷った手作りものであり、タラブックスの代名詞のようなものであるため、この展覧会のポスターは、インドにてシルクスクリーンで刷ることに決まった。そのポスターの効果は絶大であり、一か月に18000人の来場者、3100冊の図録売り上げを記録した。


(〔3〕につづく)
(2018年9月22日 文責:石川真奈実)


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