東大比較文学會
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『比較文學研究』第96号

『比較文學研究』第96号(特輯:漢文訓読と漢学論)が、2011年6月に
刊行されました。
定価は3,800円(税別)です。

以下は『比較文學研究』第96号の「編輯後記」です。


編輯後記
◎ 本号の特輯「漢文訓読と漢学論」は、編輯委員の古田島洋介氏の発案に
なる。本来は、古田島氏自身に誌面の編輯をお任せし、寄稿もお願いしたかった
のだが、諸般の事情で叶わなかった。また、特輯の趣旨には、漢文訓読という読みの
方法自体を文化史的に考察する野心的試みが含まれていたが、集まった原稿は、
広い意味での漢学論に傾いたかもしれない。漢文訓読の問題は、いずれ改めて
取り上げてみたい気持ちがある。
◎ 劉岸偉氏と張偉雄氏には、第九十四号に引きつづいての依頼となった。劉氏の
周作人研究、張氏の清国外交官の研究は、それぞれ長い蓄積を持つ。いずれ
大きな仕事として刊行されることを期待したい。長年の会員である趙怡氏には、
今回初めて寄稿をお願いした。日々の研究教育現場での思いと、漢詩をめぐる
氏自身の感性が現われた論文である。
◎ 陳萱氏は「明治日本と台湾像の形成――明治七年「台湾事件」の波紋」と
題した論文で博士号を授与されている。本号の論文では、博士論文提出以降の
研鑽が実った。林久美子氏は、日仏文化交流を主題とする課程博士論文を
視野に入れつつ、今回は「パリ日佛協會」に絞って、資料の博捜に基づく手堅い
論考を寄せられた。また、伊藤由紀氏の論文は、前九十五号掲載論文の補遺
である。前号に漏れた欧文要旨は今回掲載した。以上三点の論文については、
編輯委員が査読を行なった。
◎ 昨年の十月五日(金)の午後、平川祐弘氏の企画により、「富士川英郎先生
追憶セミナー」が開かれた。発表者は、平川氏を含め、三浦安子、大久保直幹、
井上健、徳盛誠、エリス俊子、芳賀徹、小堀桂一郎の諸氏であった。当日は、
やや狭い会場に、沢山の会員諸氏が集まった。若い学生諸君にも大きな刺戟に
なったと思う。その折に読みあげられた原稿から二篇を掲載した。
◎ 今号は、編輯作業の不手際から、書評を欠いている。取り上げるべき本は多く
ある。次号以降を期したい。ちなみに、ロン・ポワンの張競氏の記事は、第九十五号
掲載の書評への反論である。また、展覧会カタログ評には、昨年比較文学比較
文化研究室に着任された、新会員の寺田寅彦氏にご寄稿いただいた。
◎ このところ、博士論文の提出件数が増えている。喜ばしいことだが、審査報告と
傍聴記の積み残しがかなりある。これは順次掲載してゆきたい。最後に、今号の
刊行時期が著しく遅れたことを深くお詫びする。
(菅原克也)