東大比較文学會
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『比較文學研究』第100号

『比較文學研究』第100号(特輯:大正改元百年)が、2015年6月に刊行されました。定価は3,800円(税別)です。

以下は『比較文學研究』第100号の「編輯後記」です。

◎ 雑誌『比較文學研究』は本号をもって、ついに百号に至った。一九五四年の創刊号から数えてすでに六十年、この年月の重みを会員諸氏と共に言祝ぐと同時に、ここに至るまで多大な努力を惜しまれなかった歴代印刷発行元、歴代編輯委員会および全ての執筆者と関係の皆様に、現編輯委員会の一人(本号編集担当)として、心より御礼申し上げます。
◎ すでに百数十年の歴史をもつ比較文学という学問を、日本に根付かせ深化させる役割を、この雑誌は確実に果たしてきた。この雑誌への執筆を志し、この雑誌から学び、掲載論文を互いに批評し歩んできた若き日の思い出を、共有する会員も多いと思う。またこれからもなお、そのような学問上の紐帯の場であり続けて欲しいと心から祈念し、そのための任に気を引き締めて当たりたい。
◎ 現編輯委員会は、百号を迎えるにあたり、敢えて本号は通常号として構成し、別途会員にはご協力を仰いできた通り、百一号を「特別号」とした。比較文学という学問のディシプリンの根幹を成す「エクスプリカシオン・ド・テクスト」で全号を編輯し、現在ほぼ完成に近づいている。
◎ 本号は通常号ではあるが、百号にちなんで「大正改元百年」を特輯テーマに掲げ、現有スタッフ(飯嶋氏は現在九州大学勤務)で書くという試みをしてみた。大逆事件直後にあたる一九一二年という改元年がもたらす必然なのか、あるいは現有スタッフの興味方向の一致するところか、「芸術と政治」に関わる論考が並び、大正研究の新たな方向性を示すことができたと思う。
◎ 通常号としては、菅原氏の刺激的な漱石論を掲載できた。また書評、展覧会カタログ評とも、多忙な中に時間を割いて丁寧な仕事をして下さった筆者の方々に御礼申し上げる。博論審査関係は、本誌掲載に積み残しがかなりあるため、次次号以下、順次掲載を急ぎたいと考えている。
◎ 何よりも嬉しく貴重なのは、百号にあたり、歴代会長に巻頭言、回顧そして展望を語る文章を頂けたことである。創刊当時から初期の刊行事情、近年の大学院組織改革との関連などの貴重な証言にとどまらず、比較文学はいかにあるべきか----についての苦言や提言と、なお前進あるのみと私たちの励ます研究余滴に至るまで、本当に有り難い限りである。折悪しく大学学事暦変更の嵐の下、ひたすら編輯委員会の都合で、本号もまた発行が当初の予定より大幅に遅れたことを、執筆者および会員の皆様に心からお詫びする次第です。(今橋映子)