東大比較文学會
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『比較文學研究』第101号

『比較文學研究』第101号(特輯:エクスプリカシオン・ド・テクスト(本文の解釈))が、2016年6月に刊行されました。定価は5,000円(税別)です。

以下は『比較文學研究』第101号の「編輯後記」です。

◎ 本号は『比較文学研究』百号刊行を記念して「エクスプリカシオン・ド・テクスト(本文の解釈)」特別号とした。
◎ エクスプリカシオン・ド・テクストについては、巻頭言でやや原理的な考察を試みた。実践例には、一九七七年十一月刊行の『文章の解釈』(平川祐弘・亀井俊介・小堀桂一郎編、東京大学出版会)、一九九四年十月刊行の叢書比較文学比較文化6『テクストの発見』(大澤吉博編、中央公論社)がある。島田謹二・富士川英郎・氷上英廣編『比較文学読本』(研究社出版、一九七三年一月)も忘れてはならない。いずれも比較文学研究の芯になるところを、具体例に即して論じた文章が並ぶ。今号は、基本的にこれらの先例に倣った。
◎ 編輯にあたっては、広く会員に寄稿を呼びかけた。当初こちらが示した形式は、冒頭に扱うテクストの本文そのものを千字程度まで引用し、引用にもとづいて二十枚から三十枚(四百字詰原稿用紙換算)の文章を綴るというものであった。三十名の会員から反応があり、結果として二十五編が集まった。書式に従うもあり、従わざるもあって、書き手の個性があらわれたようである。
◎ 記念号を編輯する立場として、テクストの選定には一切注文をつけなかった。寄せられた原稿には、エクスプリカシオン・ド・テクストというより、論文の体裁をとるものもあったが、あえてそのまま掲載した。エクスプリカシオン・ド・テクストとして規範的な書きぶりを示す文章と、そうではない文章が混在するのは、見ての通りである。
◎ 扱われているテクストは『源氏物語』あり、寺山修司の写真あり、マラルメの詩あり、鴎外の墓誌ありと、実に多様である。分類は編輯委員杉田英明氏にすべてお任せした。杉田氏の綿密をきわめる編輯・校閲のお仕事には、いつもながら頭が下がる思いである。『比較文学研究』が百号刊行に漕ぎつけたのも、近年は杉田氏の御尽力によるところが大きい。
◎ 特別号への寄稿を募るにあたり、エクスプリカシオン・ド・テクストの特輯を組むと伝えることで、会員からこれだけの反響があったのは心づよい。テクストに向きあう当然の手続きが、疎かにされないことを願う。
◎ 本年六月には、日本比較文学会第七十八回全国大会が駒場キャンパスで開催される。一九八二年の大会以来、三十四年ぶりのことである。若い大学院生たちによる準備も進む。学問の場を受け継ぐ、よい機会となろう。(菅原克也)