東大比較文学會
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『比較文學研究』第103号

『比較文學研究』第103号(特輯:イギリス・ロマン主義の受容と変容)が、2017年9月に刊行されました。定価は3,800円(税別)です。
以下は『比較文學研究』第103号の「編輯後記」です。

◎ 本号は「イギリス・ロマン主義の受容と変容」を特輯として、中世趣味、異国趣味、古代の理想化、反逆と革命、悪魔、英雄、無意識、ゴシック、自然、想像力、感受性などロマン主義の特徴とされる諸要素が、どのように受け継がれ、拒否され、変貌したか、という問題について考えることを目指した。日英比較文学の枠組と英文学の枠組で、四点の論文をお寄せいただいた。アルヴィ宮本なほ子先生は、パーシー・ビッシュ・シェリーの研究者として広く知られており、東大駒場地域文化研究専攻で教鞭を執られている。非会員の専門家として、今回の特輯に御寄稿をお願いした。
◎ 一般投稿論文二点は、偶然であるが、今回の特輯にゆるやかにつながっている。ロマン主義の特徴は多岐にわたり、一回の特輯で取り組める内容は限られたものになる。多文化共生や自然環境保全と産業革命など、現代社会の問題に関連のあるロマン主義のテーマも、機会があれば取り上げてみたい。
◎ 佐伯彰一先生の追悼文三編を掲載した。京都で学生時代を過ごした私は、佐伯先生の謦咳に接したことはない。しかし、本棚に行儀よく納まっていた『日本人の自伝』(講談社学術文庫)を開いてみると、随所に線が引いてあり、「一九九一、九、三 京大中央書籍部」という書き込みがあった。奥付に「一九九一年八月十日第一刷発行」とあるので、学術文庫版刊行後間もなく入手して、熱心に読んだようである。二十二歳の私が何を受け取ったのか、蒔かれた種は芽を出したのか、土の浅い所に落ちたのか、茨の中で実を結ばなかったのか、極めて心許ないところであるが、勝手に御縁を感じている。『比較文學研究』第四十三号「研究室だより」と第四十五号「比較文学開眼の思い出」とあわせて、追悼文を拝読した。
◎ 第四十五号の特輯は東大比較文學會三十年であり、佐伯彰一「比較文学開眼の思い出」の他に、島田謹二「三十年の回顧(談)」が収録されていた。学統の重みを意識しつつ、こちらも興味深く拝読した。
◎ 本号の編輯は佐藤光が担当しました。二〇一二年十二月の東大比較文學會総会で編輯委員を仰せつかり、これまで若手奨励研究コロキアムの運営と『比較文學研究』投稿論文の査読に従事して参りました。『比較文學研究』の編輯は今回が初めてです。学統の火をともし続けていくために、微力を尽くして参りたいと思います。会員の皆さまにおかれましては、辛抱強く見守っていただきますようお願い申し上げます。(佐藤光)